最近、AHCPR(米国医療政策研究局 ; Agency for Health Care Policy and Reserch)から、診療のガイドラインがたて続けに刊行されているが、この心臓リハビリテーションのガイドラインはその17番目、循環器疾患領域では不安定狭心症、心不全に続いて3番目である。このように米国の政府機関が診療のガイドラインを作成している背景には、これまでに蓄積された臨床研究の結果に基づいて正確に診断・適切に治療することによって、入院を減らし、予後を改善し、QOLを高め、それが結局は医療費の抑制あるいは医療の適正な配分につながるという費用−効果関係を重視した米国の医療政策があると思われる。
昨年11月のAHA(米国心臓学会 : American Heart Association)の期間中にこの心臓リハビリテーションのガイドラインが発表されたが、本ガイドラインの日本語への翻訳は、昨年わが国に誕生した日本心臓リハビリテーション学会が行うのが最もふさわしいとの戸嶋裕徳理事長の意向のともに、同学会誌編集小委員会のメンバーが中心となって翻訳作業にあたったものである。
翻訳作業は大変根気の要る、時間のかかる仕事であり、労力の割には報われることの少ないことは翻訳作業に携わったものの共通した感想である。今回も日米の医療制度や疾病概念の違いなどに基づく翻訳の難しさに加えて、心臓リハビリテーションの分野ではまだ適切な日本語が確立されていないことなどもあって、大変な苦労の連続であった。
日本心臓リハビリテーション学会としてのこの初仕事が、これからのわが国の心臓リハビリテーションの発展に結びつけば、翻訳の苦労も報われるというものであろう。
心臓血管科教授 齋藤宗靖
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